離婚は、夫婦間で問題が生じた場合には考えなければならない問題の1つです。
離婚に際しては、財産分与や子の親権、子との面会の可否や態様などの問題に加え、慰謝料請求の問題もしばしば生じます。
慰謝料とは、配偶者から受けた精神的な苦痛に対する金銭的な補償を指します。
法的には、民法709条に規定される不法行為に基づく損害賠償請求ということになります。
このページでは、離婚における慰謝料請求について、具体的なケースを交えながらご紹介します。
慰謝料請求をするためには、一定の条件が必要です。
まず、被害者が不法行為をされたことによって心身に損害を受けたことが必要です。
ただし、損害の程度によって慰謝料額が変動するため、被害者が心身に軽度の損害を受けた場合でも、一定の金額が認められることがあります。
離婚における慰謝料請求には、以下のようなケースがあります。
①不倫・浮気
不倫や浮気は、多くの場合、慰謝料請求の要件に当てはまるとされています。
これは、不倫や浮気によって、配偶者が精神的な苦痛を受けたと認められるからです。
ただし、慰謝料請求の要件には、具体的な行為や時間的な要素などがあるため、ケースバイケースで判断されることが多いです。
例えば、配偶者が不倫相手と性的な関係を持った場合は、慰謝料請求の要件が成立することが多いです。
また、浮気が長期間にわたった場合や、繰り返された場合も、慰謝料請求の要件に当てはまることがあります。
もっとも、立証が困難な場合もあるため、証拠の収集が重要となります。
②暴力や暴言
配偶者からの暴力や暴言は、その行為が原因で被害者が精神的な苦痛を受けた場合、慰謝料請求の要件に当てはまることがあります。
ただし、暴力や暴言の程度や回数によって、慰謝料の金額は変わってくることがあります。
例えば、暴力行為が顕著な場合や、暴言によって精神的損害を与えた場合が挙げられます。
この場合でも、証拠は重要となります。
③セクハラ・モラルハラスメントによる精神的苦痛
離婚に至った原因がセクハラやモラルハラスメントなどの問題である場合、慰謝料を請求することができます。
こういった行為によって、精神的に苦痛を受けたことを裁判所に訴えることができるのです。
慰謝料は、自己の名誉やプライバシーを侵害されたことによって被った損害を補償するものであり、被害者の苦痛や不快感を考慮して算定されます。
裁判所は、被害者の訴えを詳しく聴取し、証拠を精査して慰謝料の金額を決定します。
もっとも、慰謝料の請求権は離婚から無期限で請求することができるものではなく、時効にかかります。
離婚慰謝料の場合には、離婚と同時に請求できる状態になるので「離婚時」から3年が経過すると時効が成立します。
そのため、離婚の際に慰謝料請求についての話し合いや合意がない場合であっても、離婚から3年以内に請求をしなければ時効が完成しています。
慰謝料は法律的にもっとも複雑な問題の1つであるため、離婚を考えている人は弁護士の助言を仰ぐことを強くお勧めします。
弁護士は、慰謝料の請求権が発生するかどうか、また請求できる金額はどの程度かなど、具体的なアドバイスを提供することができます。
といだ法律事務所では、地域の皆様が気軽に相談できるアットホームな環境で皆様のご相談を承っております。
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